山本泰三作品

about Taizo Yamamoto

2007年冬に信楽での個展を拝見。日常の中にスッと溶け込んできそうな器たち。
独特の色と、さりげない造形が素敵だと感じました。
無造作で、ちょっと侘びたような雰囲気にも見えるし、
小粋で都会的な雰囲気にも見えるコレクションでした。

「渋い雰囲気の器だと言ってくれる人が多いかなぁ。
だから、随分なおっさんが作ってると思って、顔合わすと驚かれたりしますね」
と、ご本人がおっしゃるとおり、初対面のときの私にもそんな驚きがありました。

でも、器を手に持つと、一つ一つの器の繊細さと、とてもよく計算された造形であることが分かります。
その印象と、ご本人の印象はぴたっと重なります。

Mika's Selectionでご紹介しているのは、山本さんの定番です。
色と質感が独特の空気を持っている作品たちです。
その雰囲気、空気を作り出すために長い時間を費やされています。
釉薬も土も、何度も何度もいろいろな調合をして試作を重ね、やっと完成したものたち。

「このチラリと錆びたような部分を出すのは、掛ける釉薬の量から出せる技ですか?」
「んーー、そういうものでもないです。すべてのバランスですかねぇ。」

元々は大阪、東京でサラリーマン生活を送っていた山本さん。
28歳のときに信楽へ引っ越し、陶芸の世界へ入られました。
山本さんが惹かれていたのは、小川顕三さん。6年師事した後、独立されました。
小川さんの器は、明るく優しい色という印象がある私。
山本さんの出発点が小川氏というのは、意外な感じです。

「んーー、年のせいかなぁ。今はこんな感じが自分の求めるものだけど、
これから何年かしたら、また変ってくるのかもしれないです。」
そうなのですよね。
手仕事の器は生き物。
今、山本さんの手から出来上がるこの器は、
今の山本さんだから創れるものなのでしょうね。






山本泰三

1970 大阪に生まれる
1998 信楽にて小川顕三氏に師事
2005 信楽町にて独立 作陶