広田忠美作品



-About Hirota Tadami-

現在の陶房に移って以来、作品の中にスケッチ画をもとにした絵を
取り入れ続けていらっしゃいます。
我武者羅だった時期には気付かなかった自然が織り成す景観の美しさ、豊かさ、
また小さな生物の生命力に感動を覚えるようになり、作品の中に取り入れ始めたそうです。
毎日、緑豊かな陶房近辺を散歩し、その都度新しい発見をし、
それをこまめにスケッチブックに描きとめ、作品のイメージへと繋げて行きます。

広田氏の作品は、完成するまでの行程がとても複雑で長いのが特徴です。
絵付けの際に抜き絵のような技法を使い、少しずつ色を重ね、重なりをつくり、
深みを出し、何手間もかけて立体感を醸し出していきます。
使う絵の具、釉薬によって窯の温度も変わります。
広田氏の窯は何度も違った温度で焚かれるため、
同じ作品を再現させるのはとても時間がかかる作業となります。
従いまして、ご紹介しています作品も貴重な一点ものばかりです。

自然の中で自然を見つめ、愛しみ、それを土に表現していく作家、広田氏。
そんな彼の作品ですから、自然のものを少し合わせると魅力が増します。
展示会の際にも、いつも野山で採れた草花を抱えて会場へ向うそうです。
野花からは、逞しさ、儚さ、そして日本の四季を感じることができます。
それを生け、それを引き立たせることができるのが、広田氏の作品です。


散歩途中に足を止めて、ノートを開く、、、、

何冊ものスケッチブックには、優しいタッチの草花や、
鳥や、昆虫たちが、、、、

スケッチ画が施された作品達。
金彩を使った絵付けなのに、とても素朴で優しい。



広田忠美
1946年 信楽町に生まれる
1967年 清水窯元、信楽焼窯元にて学ぶ
1973年 信峰窯を開窯